[優秀賞]
黒田直子|ふくろいおてがみ交信局
静岡県出身
松村茂ゼミ
ふくろいおてがみ交信局は、静岡県袋井市と県外の方を繋ぐ移住のための文通マッチングサービスである。リモートワークの普及で移住需要は高まったが、WEB移住政策の不安要素「人間関係」を解決するものが少ない。そこで、濃密なコミュニティを築ける「文通」に注目し、移住のきっかけとなる本企画を考案。3か月で全国17名17組が文通を開始した。文通が地域の魅力と安心感を発信、コミュニティづくりに効果的であると実証した。
松村 茂 教授 評
新型コロナウィルスの感染拡大防止策としてリモート授業やテレワークが広がった2020年は移住が注目された年でもある。インターネットショッピングやオンライン教育の普及に見られるように全国どこでも豊かな生活が可能になってきている。この先オンライン医療が進めばさらに移住を望む都会人は増えるだろう。
しかし移住生活がオンライン化で容易になっても移住希望者には1つの不安がある。それは地域住民と親しくなれるか、地域に溶け込むことができるかという不安である。
移住施策を推進する政府も手をこまねいているわけではなく、移住者へ生活支援サポートを展開しているが、黒田直子の提案した『ふくろいおてがみ交信局』は政府の支援サービスと異なり、地域住民が直接移住希望者と繋がり不安を取り除く点で画期的である。地元の生の声が届く文通の有効性を示し、全国から17名の希望者と地元住民をつなぎ地元企業からも協賛を得た優れた実践研究である。