[優秀賞]
加藤はる|繕うプロジェクト in東北
宮城県出身
ボブ田中ゼミ
大量生産?大量消費を課題と捉え、日本の「繕う」文化はサステナブルなのではないか、という点に着目。「繕う」ことへの敷居を下げるために3つの活動を行なった。「繕うことでサステナブルに貢献できるお店」と分かるマークを作成し、認知拡大のために繕うことができるお店の紹介をWEBマガジンにて運営、繕うことを知るだけではなく体感できるマルシェも開催した。これにより物に愛着を持ち、長く使用するきっかけを創出した。
ボブ 田中 教授 評
ある寒い日。ゼミに来た加藤はるがとても可愛いコートを着ていた。「これ、お婆ちゃんからもらったコートなの」その言葉に、周りのゼミ生たちが思ったのは間違いなく「いいな」だったと思う。時計も祖父からもらったものを丁寧に10年使い続けていると言う。
「使い捨て」ではなく「愛情をもって物と接する」ことが大切な時代になった。そんな空気感が世の中に広がりつつあるものの、なかなか実際の行動に繋がらないのはなぜだろうという彼女の素朴な疑問は、「繕う」という日本の文化そのものに回帰していく。
「繕う」とは根本的な原因を取り除く修理ではなく、「見た目を整えること」。ほころびのある衣服などに使われることが多いが、体裁のような人間関係にも当てはまるようだ。「ちょっと手を加えれば、見え方を変えればうまく行くのに」普通に生活しているとそんなことを思う瞬間は多い。彼女は、生き抜くための知恵をも提案しているように思える。