プロダクトデザイン学科Department of Product Design

[最優秀賞]
上島菜那|てよみ書店 / 触覚を活かした情感を豊かにする表現の研究
栃木県出身
酒井聡ゼミ

触覚は、感情と密接に関係します。言葉の持つ曖昧さや微妙なニュアンスに触覚を活かした表現を付加することで、それらがより豊かに伝わると考えました。そこで、様々な種類の触って読む本を制作しました。目の不自由な人もそうでない人も、同じものを一緒に読み、楽しむことができます。言葉の意味や空気感が豊かに感じられることを体感してもらいたいです。



酒井聡 教授 評
人の気持ちや天候など私たちの周りには、繊細で曖昧な儚くて美しいものが多くあります。多くの場合、私たちはそれらを絵や文字で視覚的に表現し感じ取っています。では、それは目の不自由な人と一緒に楽しめているでしょうか。
上島さんの提案する「てよみ書店」の本は、様々な人たちが一緒にその情感を楽しむ本です。研究タイトルの【触覚を活かした情感を豊かにする表現の研究】とある通り、情感を表現できる触覚を追い求め、凹凸の形や数、密度などを楽しみながら試行錯誤しました。その成果の一端は研究ノートで見ることができます。誰よりも実験や試作を楽しみ、失敗を活かし、自分が良いと思う作品を仕上げようとするその姿勢は素晴らしいものでした。これらの試行は、私たちが様々な機器を用いる際のインタフェースの可能性を多分に含めており、プロダクトデザイン分野の未来を感じさせるものと言えます。
春からの活躍も期待しています。最優秀賞、おめでとう。