近藤花音|金井地区の交通計画
山形県出身
吉田朗ゼミ
21年間、山形県山形市の金井地区で過ごしてきて、移動のしにくさを常に感じて生活してきた。山形の鉄道は駅と駅の間隔が空いているため、「最寄り」という概念が意味を成していない状況で、バスに関しても、住民の日常的な移動ニーズをもとに路線が作られていないため不便を感じる。鉄道やバスを利用しての日常的な移動が難しいことから、車なしでの生活は厳しいと言われているのではないか。そこでバスの路線の見直しや複数の公共交通の併用により、今より移動しやすくなるのではないかと考えた。金井地区の現状調査や他地域の公共交通との比較調査により金井地区の課題を明確にし、パーソントリップ調査を用いた移動調査による住民のニーズを調べ、そのニーズをもとに路線を組み、現実的に検討する。
まずは、各エリアの出発点と到着地を繋いだ移動線をニーズとし、到着点同士を繋いでみる。その繋いだ線を仮の路線とする。次に、現在のバス路線が住民のニーズに対応していた場所の、現在のバス路線とニーズをもとに到着地を繋いだ路線を重ねるとズレがあった。現在運行している山交バスなどは、住民の日常的なニーズをもとにして路線が組まれているわけではなく、人が多く住んでいる場所や街路を通っているようなので、本研究では、あくまでも住人のニーズをもとに路線を組んでいく。更に、到着地までの直線距離と繋いだ路線上の距離を比較し、検討する。その際に逆に回る方向もそれぞれの数値を比較し、路線が現実的に使えるものなのかだけでなく、路線をどの方向で回るべきなのかも検討する。
現在の金井地区の公共交通は、駅?停留所?路線?本数の少なさだけでなく、それらが住民のニーズに合わせて組まれたものではないという課題がある。そのため住民の移動には個人の自動車での移動や送迎が不可欠になってしまい、交通渋滞が日常的に起きてしまったり、運転のできない世代が容易に外出できなかったりする。住民のニーズに合わせた路線の新設することや、バスや鉄道、コミュニティサイクルなどの多様な公共交通の乗り継ぎを促すことにより、住民は日常的に公共交通が使いやすくなり、今よりも移動が楽になると考える。住民のニーズに合った公共交通が充実することで、車利用率が下がったり送迎などの無駄な車移動が減ったりすることで日常的な交通渋滞も減り、車が利用できない世代の外出率も上がり、住民の日常はより豊かになるのではないか。