[優秀賞]
川田英里佳|waking dream
群馬県出身
三瀬夏之介ゼミ
1818×2590mm 岩絵の具、クレヨン、色鉛筆、アクリル
人間の笑いというものが攻撃性の裏返しであったり、人間のラブソングだと思っていた歌が人ではなく2つに分かれた島の歌だと知ったり、統合失調症の画家が描いた猫が病の進行とともに変貌していくのを見て、私の認知がぐにゃっと曲がって取り巻く世界が変形する。私が絵を描くためのひずみが生まれ、それは単なるシナプスの発火現象であり、同時に魔法でもある。しかし私はそれを良くないものとして切り取ってしまうことがある。
三瀬夏之介教授 評
群馬で生まれ育った川田を魅了したのは日本画の世界だった。それは仄暗い学校での窮屈な生活とは真逆の煌めく世界で、彼女を美術大学まで誘った。人より少し長い浪人生活を終えて、ついに憧れの日本画の世界に飛び込み、奮闘する内に、川田はこの日本画という世界の保守的な仄暗さにも気づく。じゃあ、次はどこへ行けばいいというのか?それは、これまで信じてきた価値観を揺らがす恐怖であり、ここじゃない世界への契機でもある。
芸術という方法を選び取った川田の世界観の拡張が、自画像としてそのまま絵画に定着されているが、それはそのまま私たちの世界観をも揺るがすものになるといい。