[優秀賞]
野間愛加|between A and B
岡山県出身
近藤一弥ゼミ
イラストレーション
私は「手」を、古代から創造や繋がりを象徴するものであり、それ自体が意思の表現でもあると捉え、AとBを結びつける役割を持つモチーフとしたイラストレーションによる作品を制作した。制作に際して着目した、クエバ?デ?ラス?マノスに描かれた無数の手形からは、名も知らぬ人々の息吹が時空を超えて伝わる。作品を通して心が触れ合う感覚や生命の温もりといった、生の感触繋がりの価値を再認識していただければと思います。
近藤一弥 教授 評
そのイメージが虚像なのか、それとも実態を伴うものなのか—。太古の昔から、人は手で触れることで確かめようとしてきた。「温もりをもった生(なま)な感触が、現在のネット中心の世界では失われつつあるのではないか」と野間さんは語る。彼女の描く絵の中では、手はさらに物に近づき、葉の一部になり、リボンになり、そしてねじとなる。では、現実世界における「虚」と「実」の境界はどこにあるのだろうか。考えてみれば、スマートフォンやタブレットのタッチパネルの登場により、イメージに手で触れることが日常の一部となっている。この光景を目にしたとき、古代壁画を描いた人々は一体どう感じるだろうか。手描きの風合いを残したタブローであることも相まって、本作はさまざまな問いを投げかけ、深く考えさせられる作品となっている。